プリント基板設計・シミュレーション・FPGA設計
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量産を見越したアートワーク設計の部分から製造、部品調達、部品実装までをフジプリグループに依頼。基板メーカーである専門性に加え、ベンチャーでも相手にしてくれる柔軟な対応力や、納期への熱意ある行動力は頼りになるパートナー
お客様情報 | BionicM株式会社 技術部 電気設計課 マネージャー 小笠原 一憲 様 技術部 電気設計課 藤本 正志 様 技術部 電気設計課 三五 貴敬 様当 |
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ロボット技術やセンサーなどを備えた「パワード義足」という、ユーザーの自然な歩行をアシストする義足を開発するベンチャー企業です。商品化に向けての試作品に使用される基板において、設計から製造・組込まで当グループにご依頼いただいています。 |
―貴社の業務内容について、ご紹介をお願いいたします。
小笠原様:当社は「すべての人々のモビリティの向上」をコンセプトに、ロボット技術を活用したプロダクトを開発する、スタートアップのベンチャーです。具体的には、ユーザーの動きをサポートする動力やセンサーを備えた「パワード義足」の開発をメインに手掛けています。
一般的な義足の場合、ユーザー自らが足を振って動かす必要がありますが、パワード義足だと義足自体が力を出せるためユーザーの負担を軽減できます。また、足を降り出したり障害物とぶつかりそうになったりした際には、複数のセンサーのはたらきで検知や制御ができるといった、ユーザーの意図や歩行環境にあわせて快適な移動(モビリティ)を提供できる点も、パワード義足の特徴です。
当社では、膝継手と足部の2種類の商品化を目指しており、このうち膝継手について、いよいよ販売が決定しました。中国市場で2021年末にリリースされる予定ですが、現在は商品化に向けた仕上げの段階に取り組んでいるところです。
私たちはこの開発の中で、電気部分の設計~開発を担当しています。
―当グループに基板の設計や開発をご依頼になった経緯について、教えていただけますでしょうか?
小笠原様:私が以前勤めていた会社が、プリンテッド・エレクトロニクスの開発を手掛けるベンチャーだったのですが、そのとき部品の実装などでフジプリグループと取引をさせていただきました。
そのときのつながりもあるのですが、いま取り組んでいるパワード義足については、設計から基板メーカーに依頼したいと考えていました。フジプリグループなら設計はもちろん、商品化されていない試作段階でも部品の調達から開発まで対応してくれるメーカーだと知っていましたから、ぜひお願いしたいとお声がけしたのです。
▲構想設計段階のスケッチ
藤本様:というのも、開発フェーズでいよいよ商品化する段階にくると、量産も視野に入れた試作開発ということになります。開発初期のフェーズでは、その都度対応してくれる試作専門の基板メーカーに依頼していましたが、量産を見据えた試作開発となると実装や部材調達なども一貫して対応してもらえる基板メーカーに力を貸してもらいたいと、こちらの段階に応じて依頼する業者さんの使い分けが頭にありました。 フジプリグループは、これまでの実績や信頼性からも、継続的に依頼できそうな会社だと感じました。
―実際に設計からご依頼いただき、これまでの感想はいかがでしょうか?
藤本様:我々が作ってきた試作の結果、回路図を渡して量産を見越したアートワーク設計の部分から製造、部品調達、部品実装までをフジプリグループに依頼をしているのですが、我々が作った回路図の段階ではEMC(電磁環境適合性)のノイズがまだまだ残っている状況でした。
しかしフジプリグループで作ってもらった基板では、他社で製作した基板よりEMCがだいぶ抑えられて出てきたので驚きました。このあたりは、アポロ技研の経験が生かされているのかなと思います。
それと、フレキシブルな対応力に助けられた印象があります。設計変更や部品変更といったリクエストにも柔軟に応じていただけましたし、当社が提示した回路図にミスがあれば的確な指摘で修正してくださいました。
―アポロ技研には基板設計部隊とEMCのシミュレーション部隊の両方があるため、過去のシミュレーション結果、経験を基板設計者にフィードバックしやすい環境にあります。そのため、EMCを抑えた設計を得意としております。
小笠原様:スケジュール通りに進まない場面もありましたが、納期に向けて帳尻を合わせてくれたので助かりました。遅れの原因は双方にそれぞれあったものの、修正の戻しがスピーディーで納期に影響が出ないように進めていただいた印象があります。
パターン修正を迅速に対応していただけるなど、遅れていたスケジュールを速やかにリカバリしてくれました。
▲製作した基板(8層3種と両面FPC)
▲組み込まれる製品
藤本様:フジプリグループのミスではないけど、当社が指定した部品を調達してもらい実装まで依頼したのですが、なぜか動作不良が起こったこともありましたね。
小笠原様:なぜ動かないのかと調べていくと、指定した部品以外のパーツが含まれていたのが原因だとわかりました。それに誰も気付かず実装してしまったんですね。
―あのときは、ご迷惑をおかけしました。調達先から部品が届いた時点でパーツを一品ずつ確認していますが、パッケージの製品名と中味が異なるパーツが一品含まれており、それに気づかず実装してしまいました。中味の確認を怠った弊社のミスでもあり、申し訳ございません。
藤本様:私たちも含め誰もがミスをすることはあるし、0にするのは難しい。それよりも、原因がわかったら迅速に部品を再調達・再実装して対応いただけるなど、他者のミスでもリカバリしてくれるフジプリグループの対応力に感謝しています。
―今後について教えていただけますでしょうか。
小笠原様:次の試作の受託開発でも、設計からフジプリグループに依頼する予定です。フジプリグループのいいところは、他社にはない柔軟性だと思っています。イレギュラー対応にもスピード感と熱意をもって対応してくれますし、難しい要求に対しても何かしらの方法や代替案の提案があったりと、信頼できる会社だと感じています。
もちろんテクニカルな点でも実績が豊富ですから、基板サイズの小型化やEMC対策など製品化に向けた高度な技術やノウハウも備えています。シミュレーションもできますし、不明点などを相談すれば的確なアドバイスを返してくれるので、頼りになるパートナーだと捉えています。
藤本様:そもそも、私たちのようなベンチャーと取引してくれる点でも、ありがたいと感じています。小ロットでも快く応じてくれますし、サポートまでしてくれる。それが、フジプリグループとパートナーを組むいちばんの価値だと思うんですね。
おそらく、他のベンチャーからも難しい依頼を持ち掛けられ対応されてきたと思うのですが、大手基板メーカーでは断られるような内容でも相談しやすい点も、フジプリグループの魅力だと感じています。
小笠原様:まず最初に膝義足のパワード義足が商品化されますが、 その後はその他の義足の開発も本格化していく予定です。さまざまな用途に応じてバリエーションを増やしながら、ユーザーのモビリティに貢献するような商品をつくっていきたいと考えていますので、フジプリグループには開発パートナーとして今後も協力いただければと思っています。
――さらなる商品化に向けて、ぜひ協力させていただきます。今回は取材を受けてくださり、ありがとうございました。
シミュレーションと連携し電源品質を重視した設計フローで対応し、最適な層構成のご提案。
コストや納期などの制約がある中でプリント基板の品質を確保するには、シミュレーションによる検証が大きな助けに。