プリント基板設計・シミュレーション・FPGA設計
-それでは、A社の品質保証部におけるK様の業務について、ご紹介をお願いいたします。
K様:
車載カメラの品質改良に関する、顧客対応を行っています。具体的には、自動車メーカーに納品した当社製品にトラブルがあった際に、現物を預かって原因を特定し、改善したうえでお客様に報告するという仕事です。
トラブルの原因が電子部品にあった場合は、サプライヤーなどと一緒に再発予防のための改良を目指します。
-K様は以前、設計や開発にも携わっていたそうですね。
K様:
はい。実は、技術部門に在籍していたころから、当社はアポロ技研と取引をしていました。ただ、当時の私には「基板メーカーの一つ」という認識で、技術的なやりとりをしたことはありませんでした。
-K様とは、品質保証部に移られてから直接取引させていただくようになりました。きっかけは、何だったのでしょうか?
K様:
4年ほど前ですが、ある自動車メーカーの製品に不具合が生じたときのことです。その原因を特定する際に、BGAという半導体パッケージに問題がないかを調べることになりました。これを調べるには、BGAの置き換え作業が必要でした。
ここでの重要なポイントとして、市場に出回ってしまった不具合品は「1個しかない」ということ。つまり、BGAの置き換え作業でミスがあると、半導体の状態が変化して不具合の原因が特定できない可能性があったのです。
それだけ、非常に緻密で高い精度が求められる作業のため、品質に確証のある基板メーカーに対応してもらうよう、技術部門を介してメーカーに依頼しました。
その後、置き換えられた基板をもとに調査し、不具合の原因はBGAであることが判明したのですが、私としては「これだけ精度の高い作業をこなせる基板メーカーはどこなのか?」ということが気になったのです。それを技術部門に確認すると、アポロ技研だとわかりました。
-それ以降、当社にご依頼いただく機会が増えました。
K様:
高精度なモノづくりができる技術力から、信頼性の高い基板メーカーだとわかりましたので、同様のリワークやリボール作業が必要なときはアポロ技研に依頼するようになりました。現在では、週1件くらいの頻度で依頼しています。
アポロ技研へ依頼するメリットは、こちらの業務を理解したうえで、技術的なアドバイスもしていただけることもあります。LSIチップの張替えを依頼した際には、半導体パッケージと基板の隙間に注入する「アンダーフィル」という樹脂が使われていることを、指摘してくださいました。もし、これに気付かずに作業を進めると、チップの取り外しなどで加熱した際にアンダーフィルが溶けて、ショートしてしまうおそれがあります。これにより、不具合の検証ができなくなる可能性があったのです。
そうした、私たちの目的が達成できるように技術的な助言をしていただけることも、大変感謝しています。
-技術力のほか、アポロ技研に依頼するメリットは何でしょうか?
K様:
「安定した品質」「スピード」「コスト」の点で、他のリワーク・リボール業者より優れていると感じます。
品質に関しては先ほども述べた通り、高い精度をもって仕事をしてくれること。今までトラブルもなく、確実にやらなければならないことをやってくださいます。スピードの点では対応が早いだけでなく、同じ横浜市内なので、営業担当者が製品を取りに来てくれたり完了したらすぐに納品してくれたりと、受け渡しがスムーズなことも重宝しています。コストも、以前他社と比べたことがあったのですが、アポロ技研のほうが安かったです。
何よりも、「チップを渡すだけで、こちらの要望通りに仕上げてくれる」という関係性を築けている点が、依頼しやすい理由だと思います。
-車載カメラに関して、今後どのような点に注目されていますか?
K様:
車載カメラにおける最近のトレンドは、デジタルが普及し始めたことです。現在でも海外車を中心にアナログが主流ですが、いずれデジタルが主流になると予測されます。
デジタルになると、高画素・高解像度が求められますが、それにともないデータの送受信など高速伝送技術も求められるようになります。周波数が上がれば、電磁ノイズの対策も必要でしょうし、そのシミュレーションなども私たちの業務になると考えています。
また、消費電力が増えるため、カメラ自体の自己放熱で故障する可能性も考えられます。外気温なども影響しますから、発熱対策を講じるためのシミュレーションも重要になってくるでしょう。車載システムには、どのような環境でも最低10年は使える耐久性も求められますから、基板だけでなく筐体やレンズなども含めて、高品質なモノづくりを進めていきたいと考えています。
-今後のアポロ技研とのかかわりについて、教えてください。
K様:
信頼できるパートナーとして、今後も引き続きよろしくお願いできればと思います。
また、当社では各種シミュレーションにも注力していますが、現状では人的リソースが限られており、さらなる強化が求められています。アポロ技研でもシミュレーションに対応されていることを知りましたので、機会があればノイズなどの検証でご協力いただくことがあるかと思います。その際には、サポートしていただけると助かります。
-貴社の品質改善に向けて、さらに貢献できるよう尽力します。
今回は取材を受けてくださり、ありがとうございました。
ご希望に合わせて、開発、基板設計、製造などの複数の工程にまたがるサービスをフレキシブルに提供いたします。
コストや納期などの制約がある中でプリント基板の品質を確保するには、シミュレーションによる検証が大きな助けに。