第109回 プログラミングについて『ファイルを圧縮してみよう！ その8』

　　　　　　　　　　 プログラミングについて　第１09回目

　　　　　　　　　　 『ファイルを圧縮してみよう！ その８』

　　　　　　　　　　 ～ＬＺ法で圧縮したファイルを伸長する～

　今回は前回までに作成したＬＺ法で圧縮するプログラムで作成したファイルを伸長するプログラムを作成しましょう。圧縮よりも伸長の方が簡単です。

グローバルな変数や定数は次のとおりです。もう説明の必要はありませんね。

　#include <stdio.h>

　#define　IN_FNAME "x.x"
　#define OUT_FNAME "y.y"

　#define MAX_TEXT 256
　#define MAX_BASE_TEXT (MAX_TEXT*10)

　char base_text[MAX_BASE_TEXT];
　char *text;
　int ltext;

　char ichar;
　int　ichar_remain;

　FILE *ifp,*ofp;

この伸長プログラムでは前回に圧縮時間を改善したときと同じ手法で２５５文字前までの文字配列を処理します。

メイン関数は、

　main()
　{
　　ifp=fopen( IN_FNAME,"rb");
　　ofp=fopen(OUT_FNAME,"wb");

　　 text=base_text;
　　ltext=0;

　　ichar_remain=0;

　　expand();

　　fclose(ifp);
　　fclose(ofp);
　}

これももう説明の必要がないでしょう。

次に伸長する関数 expand() です。

　expand()
　{
　　while(1){
　　　if(get_bit()==0){
　　　　output_char();
　　　}
　　　else{
　　　　if(output_same())break;
　　　}
　　}
　}

これも悲しいくらいに簡単です。１ビットを読み込みそれが０ならば次にあるものが文字で、１のときには前の文字と一致しているという情報です。

get_bit() 関数は、

　get_bit()
　{
　　int ret;

　　if(ichar_remain<=0){
　　　ichar=fgetc(ifp);
　　　ichar_remain=8;
　　}

　　if(ichar & 0x80)ret=1;
　　else　　　　　　ret=0;

　　ichar<<=1;
　　ichar_remain--;

　　return ret;
　}

この関数も何度か出てきましたので説明は省略します。１文字出力する関数は次のとおりです。

　output_char()
　{
　　char c;
　　int　i;

　　c=0;
　　for(i=0;i<=7;i++){
　　　c<<=1;
　　　c|=get_bit();
　　}

　　fputc(c,ofp);

　　add_char(c);
　}


入力ファイルから８ビット読み込んで（１文字）それを出力した後、add_char 関数で２５５文字前までの文字配列にその文字を追加します。

前の文字と同じというデータの処理は、

　output_same()
　{
　　int prev,len;
　　char c;
　　int i;

　　prev=0;
　　for(i=0;i<=7;i++){
　　　prev<<=1;
　　　prev|=get_bit();
　　}

　　len=0;
　　for(i=0;i<=7;i++){
　　　len<<=1;
　　　len|=get_bit();
　　}

　　if(prev==0)return 1;

　　while(len-- >0){
　　　c=text[ltext-prev];
　　　fputc(c,ofp);
　　　add_char(c);
　　}

　　return 0;
　}

で、何文字前を示す１バイトと何文字かを示す１バイトを入力ファイルから読み込んだ後、その文字を順次出力し、再びその文字を２５５文字前までの文字配列に追加します。

最後に２５５前までの文字配列に１文字を追加する関数です。

　add_char(c)
　char c;
　{
　　if(ltext>=MAX_TEXT){
　　　 text++;
　　　ltext--;
　　}

　　text[ltext++]=c;

　　if(text+ltext>=base_text+MAX_BASE_TEXT){
　　　memcpy(base_text,text,MAX_TEXT);
　　　text=base_text;
　　}
　}

これも前回説明しましたので説明は省略します。

これで伸長プログラムが完成です。あまりにも単純でがっかりしたと思います。

試しに前回まで対象にしていた１．３メガのファイルを圧縮後に伸長する時間は１秒で終了しました。

　プログラムの全文は今回紹介したプログラムのリスト全部ですので省略します。

それではまた次回。