既存電話設備とIPネットワークをつなぐ、VoIP-PCMハイウェイ相互変換装置の開発
音声パケット(VoIP:Voice over Internet Protocol)と、PCMハイウェイ(時分割多重の音声伝送方式)を相互変換する装置の開発。
ご相談の背景・課題
今回の開発テーマは、VoIP(IPネットワーク上の音声パケット)と、 PCMハイウェイ(従来の電話交換機などで使われる時分割多重の音声伝送方式)を 相互に変換する装置の開発です。 IPネットワークへの移行が進む一方で、既存設備がPCMハイウェイ方式のまま残っているという 環境はいまも多く、この2つをつなぐ変換装置の需要は根強くあります。
設計上の最大の難所は、2つの方式のタイミング構造の違いです。 PCMハイウェイは8kHzのサンプリングクロックと、チャネルごとに決まった タイムスロットの割り当てで成り立っており、タイミングがずれると 音声が崩れたり、別チャネルの信号が混入するリスクがあります。 一方のVoIPはパケット単位で音声データをやり取りするため、 ネットワークの揺らぎ(ジッタ)によって到着タイミングが一定しません。 この「決まったリズムで動くPCMハイウェイ」と「揺らぎのあるVoIPパケット」を リアルタイムで正確に変換し続けることが、技術的な核心でした。
加えて、複数チャネルを同時に扱う場合は、 各チャネルのタイムスロット管理も同時に正確に行う必要があります。 1チャネルでも処理が遅延すると、他のチャネルに影響が波及するため、 処理の確定性と効率性を両立した設計が求められました。
アポロ技研の対応・設計の工夫
VoIPパケットの揺らぎを吸収するために、ジッタバッファを設けて 受信したパケットを一時的にバッファリングし、PCMハイウェイ側の クロックに同期して出力するタイミング制御を実装しました。 バッファが短すぎると揺らぎを吸収しきれず、長すぎると遅延が増えるため、 通話品質と遅延のバランスを取った設定が設計のポイントです。
PCMハイウェイ側のタイムスロット管理では、 チャネルごとのサンプリングタイミングをFPGAまたはマイコンの制御で 精密に管理する回路設計を行いました。 また、回路設計・基板設計・製造・評価を社内で一貫して担当することで、 タイミング関連の問題を実機で素早く確認・修正できる体制をとっています。
成果
VoIPとPCMハイウェイをリアルタイムかつ安定して相互変換できる 装置を実現しました。既存のPCMハイウェイ設備を残したまま、 IPネットワーク側の新しいシステムと接続できるようになり、 お客様の既存設備の延命と、新システムへの段階的な移行を両立できています。
「既存の電話系設備を活かしたまま、IP化を進めたい」 「VoIPとレガシー回線をつなぐ変換装置を作りたい」といった 通信系・制御系の開発でも、アポロ技研はご相談を受け付けています。 まずはどのような構成が考えられるか、お気軽にお問い合わせください。










